ダイキャスト設計ガイド - 有限会社協和合金
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3CDプロセスは通常の射出成型法です、特殊な鋳造法案は使用していません。
(真空鋳造、スクイーズキャスティング法、PF法など)
形状設計では、射出成型を考慮した内容で設計する必要があります。
ここでは、ダイキャスト品の設計上の簡単な手法と注意点を紹介します。
ダイキャスト用アルミ材料、鋳造できる大きさ
ダイキャスト用アルミ材料
アルミニウム合金の約95%が、Al-Si-Cu系合金のACD-12(JIS H5302)です。
当社の鋳造品もこの材料を使用します。他材種をご希望の場合ご相談ください。
詳しくは日本ダイカスト協会のホームページをご覧ください。
鋳造できる大きさ
3CDプロセスでは、設備の関係で製作できる部品の寸法に制限があります。
最大製品寸法 150mm×150mm×60mm ヨコ×タテ×高さ
(製品形状によりこの寸法以下でも製作不可の場合があります、詳細はご相談ください。)
形状設計
形状設計(肉厚と均一化)
肉厚は、均一化することにより、そりやゆがみを押さえ、良質な鋳造品を製作することができます。
樹脂成型より、ひけ、そりを意識することはありませんが、基本的な考え方は同じです。
製品肉厚 最小1mm 最大10mmを目安として設計します。
急激な肉厚の変化を防ぐ
肉の厚い部分、または平板形状の場合肉抜きを付ける。または、リブ形状の追加。
製品形状による金型の違い
スタンダード仕様
単純な2方向抜き、金型の固定側と可動側を垂直に引き離すだけで形状が成型できる構造の金型です。
価格:20万~
1方向引抜中子
アンダーカット形状に対応するスライド構造1方向引抜
価格:40万~
2方向引抜中子
アンダーカット形状に対応するスライド構造2方向引抜
価格:60万~
多数個取り
異形状の製品を多数取れます。
価格:30万~
金型加工プロセス
3CDプロセスでは、CNCマシニングによる全切削加工を基本としています。
そのため、加工プロセスを考慮したパーツ設計が必要になります。
当社では、ダイキャスト化のための設計アドバイスを行っています。
スムーズな製品開発をするために、是非ご相談ください。
角部のR付け
加工にエンドミルを使用しているため、製品によっては、角がシャープにならず、丸くなることがあります。(最小でもR0.5)
細いリブの場合
深く細いリブでは、エンドミルが入る抜き勾配と隙間が必要になります。
リブの深さは加工ツールの直径の約8~12倍を目安として設計すると、低コストの金型が製作できます。
これ以上深く細いリブですと、金型製作はもちろん、鋳造性にも問題が発生します。
詳細はご相談ください。
部品の離型 エジェクタピン
鋳造品を型から離すため、エジェクタピンを使用します。設計時においてはそのピンのことを考慮する必要があります。
製品形状によっては、座(肉厚の薄い部分、傾斜部)を設けることにより量産時のトラブルを未然に防ぎます。
エジェクタピンの設定については、お客様との打ち合わせによります。
位置の設定が悪いと、金型離型時に製品を突き抜けたり、立壁との隙間がない場合金型にクラックの発生が起こります。
ゲート、オーバーフロー設計
アルミダイキャストでは、ゲートとオーバーフローはパーティングライン上に設計します。
それは通常製品図には、反映されていません。そこでお客様のパーツに与える影響を最小限にするため、細心の注意を払って製作します。ゲートとオーバーフロー位置はお客様と打ち合わせ後に決定します。
ゲートの設計は、鋳造性、製品の歩留まりに大きな影響を与えるため、慎重に過去の実績データを基に設計します。
この段階で良品ができるかの80%が決まります。金型入子は規格化されているため、製品の大きさを考慮して決定します。
ゲート処理
鋳造品の素材状態では、ゲート、オーバーフロー跡が残ります。
処理方法は、エンドレス仕上げ、切削加工、プレス処理があります。
機械加工
ダイキャスト製品は、ネジ部、また寸法精度により後加工が必要になることがあります。
生産LOT、数量によっては後加工のほうが低コストで製品を造ることができます。
表面処理
バレル研磨、サンドブラスト処理、おもにバリ取りに使います。
塗装、アルマイト処理、メッキ処理があり製品の使用目的により決定します。
詳細はご相談ください。
以上、簡単にダイキャスト製品設計上の概略を説明しました。
疑問点、要望などございましたら、お気軽にご相談ください。